デジタルデトックスとは?

デジタルデトックスとは、一定期間スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスとの距離を置くことでストレスを軽減し、現実世界でのコミュニケーションや、自然とのつながりにフォーカスする取り組みです。

デジタルデトックスは、デジタルを完全に手放して生きよう、というものではありません。
より健全にデジタルデバイスやインターネットと付き合っていくために行うものです。
電車に乗っている時、友人を待っている時間など、ふとした瞬間にスマホを見ないだけでも新たな気付きがあったり、新しい出会いがあったり、様々なポジティブな効果を体験することが出来ます。
もちろん高い効果を得るために、1泊2日以上のデジタルデトックス期間を取ることも非常に有効です。

デジタルデトックスの効果

  • 気持ちがスッキリする
  • 目の疲れが取れる
  • 頭(脳)の疲れが取れる
  • 睡眠の質が良くなる
  • ストレスが減る
  • 安心感が増す
  • 想像力(創造力)が高まる
  • ひらめきが良くなる
  • 五感がさえる
  • 幸せな気持ちになれる

デジタルデトックスを行うことで、上記などの効果を得ることが出来ます。自然豊かな場所でデジタルデトックスを行うと効果が高まります。人は自然とつながることで、本来持っている生命力を活性化することが出来ます。研究によると※1、血圧、心拍数、筋肉の緊張、そしてコルチゾールの様なストレスホルモンの数値は全て、自然環境においてより良い数値を示すことが分かっています。

そして別の研究*2では、自然の中で人は「ものごとを完了することに対し、充分な時間を持っている」ように感じられ、うつ病や怒り、攻撃性が低下し、子ども達のADHD症状が軽減することが報告されています。

何故、デジタルデトックスが必要なのか?

今ではほとんどの人がスマートフォンやタブレットなど、インターネットに接続するデジタルデバイスを所有・利用しています。
デジタルデバイスは24時間365日、いつでも私たちをデジタル世界に接続します。

私たちの脳は、暇を嫌い、常に新しい情報を求める習性があります。
デジタルデバイスはいつも手元にあり、ふとした瞬間の暇つぶしに最適です。
また何か調べものをしたり、記録をしたり、非常に便利な機能を持っています。
デジタルデバイスは私たちの生活をとても便利で快適なものにしてくれますが、
頼りすぎることは、逆に私たちの本来持っている能力を退化させることにつながります。

■成人の1日のスマホ使用時間 2017年12月時点

デジタルデバイスは私たちの脳と非常に相性がよく、ある意味では私たちの脳を拡張しています。それは素晴らしいことですが、それに頼って自分自身の能力を退化させてしまっては元も子もありません。私たち自身の能力が高くなければ、進化した道具を使うことは出来ず、それどころかAIなどの進化によって私たちが使われる側になってしまうというマトリックスな状態になってしまいます。

H × T=
(人間の能力×道具=無限の可能性)

道具の力が強くなりすぎることで、人間の能力が退化してしまうということは、
0.0001 x 100 = 0.01
ということになります。
人間の能力を高め、そして道具を進化させることが出来てはじめて可能性が広がります。
100 x 100 = 10,000
あえて不便な状態にすることで、人間が本来持っている能力を呼び起こす、ということです。

iPhoneなどを発明したスティーブ・ジョブズも子どもたちにはデジタルデバイスを与えなかった、という事実からも、デジタルデバイスに頼らない重要さを感じ取ることが出来ます。

何故、これほどまでに依存してしまうのか?

デジタルデバイス+インターネットは依存度が非常に高い組み合わせのメディアです。
24時間手元から離れないデジタルデバイスを通じ、インターネットからはユーザーの興味・嗜好に合わせてパーソナライズされた(個人に合わせた)情報提供が行われます。これは今までのメディアにはなかった非常に強力な求心力です。
これはまたTech Companyの利益と、私たちがデジタルデバイスを操作する時間の相関性にも関連します。

FacebookやInstagram、YouTubeなどのソーシャルメディアを運営するTech Companyは、私たちをいかに長い時間、そのサービスに滞在させるかを研究しており、また、その滞在時間は直接Tech Companyの利益につながります。
AI(人工知能)やアルゴリズムの進化により、広告技術が進化しています。ソーシャルメディアのAIは私たちが過去に投稿した記事やいいね!などから、私たちが何に興味があり、今どういった状態なのかを判別することが出来ます。それは私たちの状況や感情を読んで、特定の広告メッセージを送ることが出来るということです。
例えばFacebookは「落ち込んでいる10代の女性は化粧品を買う」というパターンを発見しました。
これは広告の域を超えて、私たちの行動を操作するレベルのものです。意識せずにソーシャルメディアを利用している私たち、そして私たちの子どもたちがこれを防ぐことは非常に困難です。
逆説的ですが、常時オンラインであり続けることは、結果、デジタルデバイスとの健全な関係性を保てなくなる可能性を秘めているということになります。

FACTデータから見る事実

  • ■研究によると、落ち込み・ストレス・不安といった状態の人がデジタルデバイスを持たずに外出した結果、95%もの人がより平穏で、バランスの取れた気分に改善したと報告した。
  • ■WHO(世界保健機構)はゲームのやり過ぎで日常生活に支障をきたす症状を正式に疾病と定義することを発表しました。
  • ■10代のスマートフォンでのインターネット利用は小学生で17.4%、中学生で46.4%、高校生で89.4%です。高校生の平日の平均利用 時間は177.7分でした。
  • ■平均的なユーザーはソーシャルメディアだけで1日平均2.15時間を費やします。(2012年時点では平均1.5時間)
  • ■2016年の調査では、スマートフォンを1日に150回(6分30秒ごとに)チェックし、毎日2,617回デバイスをタップし、スワイプしてクリックしています。
  • ■18歳〜34歳のほぼ半数が、ソーシャルメディアのフィードによって、自分は魅力的ではない、と感じている。

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