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リコネクターの森下です。
4月11日、「ブラックホール輪郭の撮影に成功した」というニュースが世界中を驚かせました。
アインシュタインの「相対性理論」を視覚的に実証したといわれる、今回の快挙。100年前からブラックホールの存在を予見していたアインシュタイン…。彼が天才だといわれる所以を改めて感じました。
そして、同時にこうも思ったのです。
「今まだ立証されてはいないが、科学の発展によってこれから解き明かされていくものは何だろう」と。
そのひとつに、「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」があると考えています。
脳科学の大発見「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」
タイトルにもある非科学と未科学。
非科学的なもの、というと思い浮かぶのが「迷信」ではないでしょうか。
科学的根拠がないにも関わらず、漠然と信じられてきたこと。しかし、その中には「未科学なるものもあるのではないか」。デジタルデトックスの活動を進めるにつれて、こう思うようにもなってきたのです。
科学的には実証されていないが、実は本当に人にとって有益なもの。
例えば、脳波を測定する技術が発展したことで、昔から行われてきた瞑想の科学的効果が明かされつつあります。(*瞑想は、血圧降下のほか、過敏性大腸炎の症状緩和などにも効果があるということが、研究によって示唆されています。)
脳の情報整理を行う機能
さて、近年の脳科学において、画期的な発見とされているのがデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)です。
デフォルト・モード・ネットワークは、簡単にいうと「頭がぼーっとしている状態」を指します。しかし、この間に脳は休んでいるわけではなく、脳内にたまった情報を整理していることが分かったのです。また、デフォルト・モード・ネットワークはクリエイティブな発想が生まれやすい状態だともいわれています。
*「総合医療」情報発信サイト「瞑想」より(厚生労働省)
アイデアが生まれる?デフォルト・モード・ネットワークと「三上」
「三上」(さんじょう)という言葉をご存知でしょうか。
三上とは「アイディアが思い浮かぶ3つの場所」を指す言葉です。
- 馬上
- 枕上(ちんじょう)
- 厠上(しじょう)=トイレ
この言葉の由来は古く、西暦1000年初頭を生きた詩人の欧陽脩が「三上は文章がよく浮かぶ場所」として、自著に記しています。
しかし、この言葉をよくよく考えてみると、デフォルト・モード・ネットワークと深い関係がありそうです。
いずれも、物思いにふけりやすいシチュエーションです。ほかにも、シャワーを浴びているときや外で散歩しているときも、ぼんやりとしやすい時間だといえるでしょう。現代では、馬上は「車や電車での移動」に置き換えられるかもしれません。
会議であれだけ真剣に話し合っても解決しなかった問題が、ふとした瞬間に解決する…。こういった経験がある方も多いことと思います。これはデフォルト・モード・ネットワークの働きが活発になり、脳の情報整理がされた結果起こっているのかもしれません。
Google社のスタッフが散歩をしながらミーティングをするという話も有名です。また、ある有名アーティストがヒットソングの歌詞を思いついたのは「トイレの中」だったというエピソードもあります。
デジタルデトックスでデフォルト・モード・ネットワークを調整する
近年見つかったデフォルト・モード・ネットワークという機能。そして、古来から伝わる言葉、「三上」。
このふたつを照らし合わせると、驚くほど関連性があると思えるのは私だけでしょうか。未科学だったものが科学に変わる。そんな時代に私たちは生きているのかもしれません。
では、どうしたらデフォルト・モード・ネットワークを活性化させられるのでしょうか。その答えのひとつとして、有効だと考えられるのが「デジタルデトックス」なのです。
実際、先ほど紹介した三上(車や電車、寝室、トイレ)で、スマホを使っている方がほとんどではないでしょうか。また、「休憩をするときでもスマホでSNSをチェックしてしまう」という方も多いと思います。
ぼんやりするべき時間(=脳が情報を整理する時間)に、スマホで絶え間なく情報をインプットしてしまうとどうなるのか。当然ながら、脳が休む時間は奪われてしまいます。
もっとひどくなると「脳疲労」と呼ばれる状態に陥ってしまいます。実際にデフォルト・モード・ネットワークのバランスが崩れることで、神経系疾患(アルツハイマー)などのリスクが高まることも示唆されています。
ぼんやりタイムでアイディアを産み出す
デフォルト・モード・ネットワークの働きが弱くなりがちな現代。意図的にスマホなどから身を離して、一定時間は「ぼんやりする時間」をつくることが重要です。自然の中でリラックスして行うと、より実感が得られることでしょう。
まだまだ、脳については分かっていないことばかりです。そして、スマホなどのデバイスが人間に及ぼす影響も時間が経つにつれて分かっていくはずです。
便利で、誰とでも繋がれるデジタルデバイス。自分たちがデバイスに使われるのではなく、使いこなすためにも自分たちが生まれながらにして持つデバイス、「脳」をフルに活用する必要がありそうです。
デジタルデトックスは決して難しいものではありません。自然の中でのんびりと過ごすことできっとその効果が体感できますよ!デジタルデトックスジャパンでは、定期的にイベントを開催しています。ぜひお気軽にご参加ください。
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