人はどんなときに幸せと感じるのか?

DIGITAL DETOX JAPANの石田です。

新型コロナによる外出自粛により、スマートフォンやデスクトップにふれる時間が増えています。テクノロジーのおかげで自宅にいながら友人や家族とスクリーンを通して一緒の時間をすごすことができたり、Webをつかって仕事ができたり、その恩恵は計り知れません。

デジタルデバイスやインターネットと、上手にバランスをとっていきたいですね。
DIGITAL DETOX JAPANでも、急速にデジタルシフトするこの時代を生きていくためのヒントとなるような情報を引き続き発信していきたいと思います。

今日はジョージ・マッケロンの実験をご紹介します。

マッケロンは2万人の協力者と100万件以上のデータを元に

①なにが人間を幸福にするのか?

②そのときいる場所によって、幸福の感じ方は変わるのか?

という2点を調査しました。

どのように実験したか?

マッケロンは「マッピネス」というアプリを開発し、実験に利用しました。

被験者(協力者)は自分のスマートフォンにこのアプリをインストールし、普段どおりに生活、1日に2回ランダムで電子音がなったタイミングで「いまの気分」と「いましていること」を回答します。

回答が送信された時の被験者の位置をGPSで取得、その位置の天気や日射量などの環境特性もデータに照らし合わせました。

実験からわかったこと

幸福度に大きな影響のあったものは以下のとおりです。

◎仕事をしているときや、病床にあるときは幸福度がもっとも低い

◎友人や恋人といるときは、もっとも幸福度が高い

◎気分は天候にも左右される

上記に加え

◎都会にいるときより、屋外の自然豊かな場所や、自然の中に身をおいているときのほうが有意に、かつ確実に深い幸福感を覚えている

というものでした。

※上記結果は休暇中の効果が反映されないように集計されています。

そして、

◎都会にいるときと豊かな自然がある環境にいる時の幸福度の差は、ひとりでいるときと友人と一緒にいる時の差より、はるかに大きい

ということです。

また回答した時、通知はランダムに送信されるのにも関わらず、戸外にいた例は全体のごくわずかしかなかった。すなわち、ほとんどの人が室内からデータを送信していたということです。

このデータは現代人がほとんど日常的に自然に触れてないことを指し示します。

私が思うこと

自然の中に身をおいていると幸福度が上がるのに、ほとんど日常的に自然にふれていない。

このことは普段の生活をしていく上で、覚えておいて良いことだと思います。

Nature Fixの著者フローレンス・ウィリアムズは、どこまでが純粋に自然のおかげで、どこまでが都会や職場のわずらわしさから逃れられたおかげなのか分からない、とも言及していますが、上記の実験に関して言えば、結果として自然にふれることにより幸福度が上がっていることには変わりありません。

この新しい時代を生きていく私たちにとって、このような実験結果を知っておくことは大切だと思います。

今後もテクノロジーの進化は加速していくでしょうし、それは歓迎するべきことでもあります。問題はその進化が早すぎて、私たち自身が適応することができず、無意識にストレスをためてしまうこと、そしてその速度に社会のルールが追いついていないことです。

デジタルデトックスはバランスです。

この大きな流れに盲目的に流され「使われる者」になるのではなく、自らがこのテクノロジーや時代を「使う者」となるべく、自らの意思で行動・取捨選択することが求められています。