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上越の山間地域でデジタルデトックスの実証事業がスタート
昨年よりデジタルデトックス協会メンバーが訪れているのは、新潟県上越市田麦・柏崎市石黒地区。豊かなブナ林や棚田が広がり、独自の文化や歴史を築いてきた中山間地域と呼ばれるエリアです。
現在、地域活性化および里山資源の活用を目指して、下記の団体様とともに話し合いを重ねています。今回も20名近くの関係者の方にご参加いただきました。
(敬称略、順不同)
・新潟県上越地域振興局
・新潟県長岡地域振興局
会場の「大島庄屋の家」に近づくに連れて徐々に雪の壁は高くなり、気がつけば1.5m程の高さにも及んでいました。
例年は2、3m程積もるのだとか。積雪前の新潟とは違う情景に、到着してまもなく感動とこれから始まる取り組みへの期待に胸がいっぱいでした。
デジタルデトックス勉強会&ワークショップを開催
その後は農泊体験を提供する「うしだ屋」に移動。デジタルデトックスについて理解を深め、コンテンツを考え出すためのワークショップを開催しました。
前半は当協会理事の森下より座学を、後半は座学の内容をもとにグループに分かれ、自分たちが考える「理想のデジタルデトックス体験プログラム」を発表していただきました。
「時間をかけてゆったり料理を作りたい」
「読書に浸れるプログラムも良いんじゃないか」
「紙の地図を頼りに地元エリアを歩く旅も面白そう」
上記はワークショップ中に出たアイデアのほんの一例です。デジタルデトックス中に参加者が体験しうる不安感や不便を考慮しつつ、発想の幅を広げることができたのではないかと思います。
ワーク中は封筒にスマホを入れて、できるだけ触らないようにしていただきました。スマホがないことで、目の前の方との対話に集中できたり、グッと距離感が縮まったように感じます。
上越地域の魅力を堪能するフィールドワーク
勉強会後のフィールドワークでは、かんじきを履いて冬のブナ林を散策させていただきました。雪を踏む音、鳥のさえずり、雫の落ちる音……。感覚が研ぎ澄まされるような本当に心地の良い体験でした。
また、散策中には現地のみなさんからインターネットには載っていない地域の歴史や文化についても教えていただき、「もっと知りたい、また来たい!」と思える素敵な時間となりました。
新潟のなかでも特に緑に囲まれたこの地域では、お米や海鮮、ジビエ、春には山菜まで四季折々の食材を鮮度そのままに味わうことができます。
茅葺き屋根が残る「大島庄屋の家」では囲炉裏を囲んだり、昔ながらの郷土料理を食したり。
うしだ屋を経営される牛田ご夫妻はこの地に惹かれ、家族で移住を決断されたそう。ご夫妻で農業を営まれています。自然と本に囲まれ、自給自足の古民家暮らし…お話を伺うだけでも多くの学びがありました。
「うしだ屋」では味噌作りや稲刈り体験など、都会ではできないアクティビティも体験可能です。草履づくりやわら細工などのものづくり体験など、この地域ならではの体験ができます。
今後について
これほど魅力に溢れた地域でありながら、昨今では人口減少や環境維持のための人手不足等が深刻化しています。
日本が残していくべき文化、情景が詰まっているこの場所を守りたいと、地域内外から人が集まっている上越地域──人と人とが助け合いながら、シンプルに豊かに暮らす風景を多くのみなさんに足を運んで体験していただけるよう、今後も伴走を続けていきたいと思います。
TEXT & PHOTO : Moe Tanabe (DIGITAL DETOX ADVISOR)