デジタルデトックスジャパンの森下です。私たちはスマホやPCなどのデジタルデバイスとの付き合い方を考えるきっかけづくりをすべく活動しています。

さて、今回は現在世界で問題になっているYoutubeのある動画について緊急解説です。

最近、ニュースで「スマホ育児」という言葉を耳にしますよね。日中、お母さんが一人で子どもの面倒をみる時など、子どもをあやすためについつい使ってしまうのがスマホの動画です。特にYoutubeなどは動画を自動再生してくれるので一度子ども向けアニメを流すと、その後も関連した子ども向けアニメが連続再生され続けます。

子どもがアニメに見入っている間に家事を片付けたい…。そんな気持ちはよく分かりますが、実は知らない間に子どもにとって有害な表現を含むアニメが再生されているケースがあるのです。

それが「エルサゲート」と呼ばれる、一見子ども向けのアニメに見えるものの暴力や性的な表現が含まれている恐い動画です。

世界中で問題になっているエルサゲートとは?

エルサゲート(Elsagate)とはディズニー映画『アナと雪の女王』の主人公の一人エルサ(Elsa)と「スキャンダルや事件」を意味する際に使われる「ゲート(Gate)」を掛け合わせた造語です。

一見すると、ディズニーキャラクターのほか子どもが好きなキャラクターが登場する普通のアニメや人形劇なのですが、動画には下記のように子どもに有害な行為が含まれています。

-暴力行為
-性的行為
-排泄行為

これらが無意味に繰り返されるのがエルサゲートの特徴です。

また、Youtubeに表示されるサムネイル画像からは判断がつかないのも厄介な点です。

2016年ごろから動画の有害性が指摘されはじめ、2017年には多くの海外メディアが「Youtubeで子どもの発育に有害なビデオの規制をしていない」と一同に批判をしました。

その後、Googleはエルサゲートの削除に乗り出しましたが、一日に膨大な量のビデオがアップロードされるYoutubeでは完全に子どもにとって有害な動画を削除することは難しいのが現状です。

エルサゲートによる心的外傷(トラウマ)は計り知れない

エルサゲートが子どもにとって有害なのは、慣れ親しんでいるキャラクターが突如、暴力行為などを行うことで、子どもがそのキャラクター自体に恐怖を覚えてしまうということです。

トラウマを持った子どもはおもちゃ屋やテーマパークで同じキャラクターを見るたびに恐怖感を覚えてしまいます。たかが動画といえど、子どもに与えるダメージは深刻なのです。

心理学の分野で行われた「ワトソンの実験」では、幼少期のトラウマは大人になっても残り続けることが示唆されています。

エルサゲートを我が子に見せないためにもどのような対策が必要なのでしょうか。

子ども向け「Youtube Kids」で再生される場合も

エルサゲートが悪質なのは、子どもにトラウマを残しかねない動画なのにも関わらず、投稿者は意図的に動画を「Education(教育目的)」などとタグ付けをし、子ども向けの動画のように偽り配信している点です。

またタイトルも「子どものための…」、「色の学習」など、あたかも教育番組であるかのようにカモフラージュされています。

そのため、Googleの有害動画フィルターをすり抜けてしまいます。Youtube kidsをインストールして、動画を見せていてもエルサゲートが紛れ込んでいるケースが報告されています。

またエルサゲートの中には再生回数が多いものがあり、それらは自動的に上位表示されてしまいます。

エルサゲートを見せないための方法は「Youtubeを使わない」

残念ながら、現段階で保護者ができるのはYoutube kidsを含みYoutubeを使わないことでしょう。

自動再生をオフにするなど視聴者側の設定でエルサゲートの再生を防ぐ方法もネット上では紹介されていますが、現時点で100%再生を防ぐには、公式に発売されているDVDなどを買い求める、事前に保護者が動画を確認する、などの手しかないようです。

エルサゲートに日本のキャラクターが登場するケースも

すでに日本のキャラクター版のエルサゲートも登場しているので注意が必要です。ドラえもんやしまじろうなど日本の子どもが親しんでいるキャラクターの動画であっても、もはや安心はできません。

家庭で話し合い「スマホ育児」の見直しを

現状、視聴者が注意をして再生しないようにするしかない悪質動画エルサゲート。
自分の子どもが心の傷を追う前にスマホ育児のリスクについてしっかりと家庭で話し合いましょう。

Digita Detox Japanでは、エルサゲートに対するGoogleの対応の新情報が入り次第、随時お知らせします。