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デジタルデトックスはスマホを避けることではない
今年に入り、多くのメディアや企業さまからお声がけをいただきデジタルデトックスについてのお話をさせていただいております。
リモートワークが加速化し、デジタル機器と健康的な距離感を保ちながら、良いお仕事をすることの重要性(そして難しさ)を体感する方が増えてきているのだと感じています。
さて、いつも講演や取材の際に伝えるのは「DXを推める国にDD(デジタルデトックス)を」、そして「依存なき、共存を」──この2つです。
ほかにもあれこれと話すんですが、最近はこのふたつにフォーカスしてお伝えすることが多いです。
つまり、デジタルかアナログかという二項対立的な話ではなく、「デジタルと共存しながら生きていくためにも、デバイスをお休みする時間を作ろうよ」ということです。単純に、そのほうが幸福度も生産性も上がることがわかっているからです。
実際、講演後の感想を聞くと「デジタルデトックスと聞くと長いあいだ、デバイスを遮断しないといけないイメージがあったのですが、だいぶハードルが下がりました」など、うれしいお声をいただきます。
「デトックス」という言葉を聞くと、どうしても自然の中で、それこそ圏外の場所で非現代的な時間を過ごすというイメージだけを浮かべがちですが、そうではありません。日常生活のなかで持続可能な形でデジタルデトックスをしていくことが、ニューノーマルでは求められているのです。
集中するときはスマホの通知をオフにする(ナイトモードにする)、そしてカバンの中や別室に。あるいは、寝るときは寝室に持ち込まない。これだけでも立派なデジタルデトックスです。
必要かどうかを知るためにスマホを「外」してみる
もちろん、圏外エリアで大自然に囲まれてのデジタルデトックスも、このうえない体験になります!一旦、「ない状態」を体感することで必要な要素が浮き彫りになるからです。
以前、ある講演を聞いていて「なるほど」と思うことがありました。工学的な実験のお話です。
「この部品要る?」という疑問が生じた際、まずはその部品を機械から外してどう動くか試せばいいじゃない、と。
とっても、シンプルですね。スマホに限らず、オンライン中であっても「このアプリって要る?」と思えば、実験的にアンインストールすればいいのです。
一度捨てたら二度と戻ってこないわけでもありませんから(笑)
そういう意味では、当協会が開催している「スクリーン・フリー・サタデー」はすごく意義あるイベントだと思っています。
数時間のあいだ、スマホがなくなることで自分の心身にどんな問題が起きるか見てみよう、というある意味「実験」をみんなでするわけですね。
そして、参加者それぞれが自分たちのOFF体験を最後にシェアする。そして、日常生活で実践可能な、前出のようなデジタルデトックスの方法をお伝えしています。
「なるほど、2時間ぐらい触らないと作業に集中できるな」とか「やり残していたことができるな」とか、「思考の深度が変わってくるな」とか。そんな発見を活かして、日々の中にDDタイムを作っていくことが大事だと思います。
デジタルデトックス中の発見を実生活に持ち帰る
たとえば、ある参加者の方はこんな体験をシェアしてくれました。
「これから6時間、デジタルデバイスをOFFにすることになって、どうしていいか分からず、1時間動けなかったんです(笑)
だけど、これじゃあいけないと思って、『デバイスがなくてもできること』を書き出してみました。すると、自分があと伸ばしにしてきたことばかりだと気がついたんです。
スマホだと食品の注文とか、すぐにできることがばかりだから、あれこれと片付けているあいだに1日が過ぎていたんですね!」
スマホが悪なのではなく、スマホの外にある作業(タスク)がなおざりになってしまいがちだと、その傾向に気が付くことが発見なのであって、そこからONとOFFのバランスが見えてくるのだと思います。
あくまで数時間、1日だけデジタルデトックスしたら、OK……というわけではなく、一定期間OFFにしてみることで、「意外にずっと触っていなくても大丈夫だな。むしろ、しばらくおやすみしたほうが、デバイスをまた触ったときの捗り具合が違うな」と、発見を持ち帰ることが大事だと考えています。
10月にも、「スクリーン・フリー・サタデー」開催予定です!ぜひ、遊びに来てください^^