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子どものスマホ使用、どうしていますか?
本日は子どものスマホ依存について、興味深いデータをご紹介します。
お子様がいるご家庭では、子どもにどれくらいスマホを使わせてよいのか、もしくは使わせては行けないのか、皆さん悩まれていると思います。
私にも7歳と3歳の子どもがいまして、やはり同じ様に子どものスマホ使用について、いつも頭を悩ませています。
スマホはここ10年ほどで急速に広がったため、子どもの頃からスマホを使い続けてどうなったのか、という前例がありません。
YouTubeなど知的好奇心を満たし、知識を得るツールとしては素晴らしいものでもあるし、でも子どもがずっと操作しているのは良くない感じもします。
そんなお父さん、お母さんに知っておいていただきたい実験結果があります。
スマホの1日の使用時間と、数学・算数の学力テストの正答率の関係
これは仙台市教育委員会が毎年4月に行う「標準学力調査」と、生活習慣に関するアンケートと合わせて行ったもので、仙台市立小学校・中学校のすべての生徒(約7万人)から取得したデータをもとに、東北大学が調査、解析した結果、偶然発見したものです。
勉強時間とスマホの使用時間との関係を調査した興味深いデータです。
以下がそのまとめです。
- 全体的な傾向として、スマホの使用時間が増えると成績が下がっていく
- 1日に2時間以上勉強している子どもが、4時間以上スマホを使用すると、勉強時間が30分未満でスマホを全く使用しない子より成績が悪くなる
- 1日に1時間未満のスマホ使用であれば、特に学力に影響はない
- 1時間未満スマホを使用した子どもは、まったく使用しない子どもより少し学力が高い
つまり1日に2時間以上も勉強する子どもが、ほとんど勉強しない子に学力で負けてしまうというデータです。
少人数ではなく、7万人という大規模な調査ですから、信憑性はありそうです。
また面白いのは、1時間未満スマホを使用すると、まったく使用しない子どもより少し学力が高いというところです。
これはやはりWebから得られるものもある、ということを示唆しているデータとも受け取れます。
LINEの使用時間と学力の関係
次にLINEの使用時間と学力の関係についてです。
- LINEの使用時間が増えるほど、顕著に成績が下がる
- 1日に2時間以上勉強している子どもが、4時間以上LINEを使用すると、勉強時間が30分未満でLINEを全く使用しない子より圧倒的に成績が悪くなる
- 1日に1時間未満のLINE使用でも成績が下がる
- 受験のためにスマホ(LINE)の使用をやめても、以前に長い期間LINEを使っていた場合、成績が上がらない
LINEはスマホ全体よりも影響が大きいようです。
怖いのはスマホの使用をやめても、長い期間LINEを使っていた場合、成績が上がらないというデータでしょうか。
これはLINEの通知音によって社会不安が高まることが習慣化し、集中力そのものが下がってしまうことが原因ということです。
LINEに関しては、脳トレで有名な川島隆太教授の実験があります。
1分毎にLINEの通知音が鳴るグループと、同じく1分毎に単なるアラーム音が鳴るグループに分け、反応時間の違いを検証したところ、LINEの通知音が鳴るグループでは顕著に集中力が落ちてしまったそうです。
LINEの通知音を聞くことで、「どんなメッセージが来ているのか」「どんなことが話題になっているのか」「返信しないと嫌われてしまう」などということが気になってしまいます。
これが社会不安と呼ばれるものですが、いわゆるSNS依存などで発症するFOMO(Fear of Missing out)と同じものでしょう。
このデータからわかること、対策
上記のデータから、子どもにスマホを使用させる場合、1日1時間以内にするべきだということがわかります。
また、できればLINEは使わせないほうが子どもの学力、成績にとっては良いということになります。
もちろん多角的に見る必要がありますので、このデータのみを鵜呑みにして判断はできません。
私たち日本デジタルデトックス協会では、引き続き「子どものスマホ依存」についての研究を進めます。
情報は定期的に発信していますので、興味のある方はメルマガやLINE@などに登録していただければと思います。
また、こういったことについて知りたい、など質問も歓迎です。お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
本日もありがとうございました。
(参考:諸富祥彦著「スマホに負けない子育てのススメ」)