スマホ依存を改善する曜日ごとのタスク

「ひとりよりみんなで。お互いに『やる』と宣言したほうがチャレンジしやすいはず」

デジタルデトックスジャパンのフェイスブック・グループ内で、「7-DAY スマートフォン・デトックス」の企画が持ちあがったのは、3月中旬のこと。

「ぜひ挑戦してみたい!」という声が集まり、10人の有志が「1週間、お題に沿ってスマートフォンの利用を制限」しながら、ふだんの生活を送ってみることにしました。

インスパイアされたのはネット上にあったこの画像(写真下部に日本語訳)。

一週間のスマホ依存改善プログラムにチャレンジしてみた。お題の画像

Photo: POPSUGAR

月曜日: 本当の友達ではない人のフォローを解除し、使用していないアプリを削除する
火曜日: プッシュ通知をオフにする
水曜日: 朝一にスマホを見たいという衝動に抵抗する
木曜日: スマホ充電は寝室の外にし、寝る1時間前はスマホをみない
金曜日: スマホを家に置いて、夕飯食べにいく
土曜日: ソーシャルメディアを見たり投稿したりせずに1日を過ごす
日曜日: スマホの電源を切る

海外のエンタメ誌『ポップ・シュガー』が、掲載した1週間のスマホ依存を改善するためのプログラム。月曜日から日曜日まで、1日1〜2つのタスクをこなすというシンプルな内容です。

ルール説明

さて、日本で10名の参加者たちが、同時にリモートでスマホ・デトックスに挑むというのは、非常に珍しい試みになるはずです。

参加者の多くは仕事でプライベートで、スマホを使う人たち……。そこで、各自「これならできるぞ」というタスクを設定し、楽しく実践することを目標に行いました。ルールは下記の通り。

(1)お題の変更や解釈は各自に任せる(たとえば、土曜日のお題でLINEを「SNS」としてみなすかどうかも、本人の決定に委ねる)
(2)お互い励まし合うために、専用のチャットグループを用意。ここで気づいたことのシェアをする
(3)タスクが遂行できなくてもOK! だけど、ログとして残しておきたい人は「懺悔(ざんげ)の部屋」というシートに記入をする
(4)プログラム終了後には体験談を記入

参加者の目的は健康のため、生産性の向上のためなどさまざまです。当協会で「デジタルデトックス・アドバイザー養成講座」を主宰させていただいている、もりしたも一緒に参加することにしました!

実際にどのような変化が起こったのか──参加者たちの体験談とともに振り返ってみましょう!

「7-DAY スマホ・デトックス」参加者の体験ログ

※コメントは、参加者(20〜40代の男女10名)の体験ログから抜粋。

月曜日──友達とはなんぞや…

お題: 本当の友達ではない人のフォローを解除し、使用していないアプリを削除する

1日目から、「断つこと」を考えさせられました。後ろ髪を引かれる思いでSNSの友達リストやアプリを削除。それでも、そこから得られるスッキリ感も。

新たに追加された友達から、20人ほどアンフォロー。誰が”友達”なのか、これは境界が難しい。ただ、ニュースフィードは明らかに情報量が減ってスッキリ

スマホのアプリは5ページ分あり、そのほとんどは使っていないものばかりで、なんのアプリかもわからないものも。いらないアプリは削除し、カテゴリーも分けて、整理整頓し、2ページ分になり見やすくなった

大学生時代は、「承認欲求」を満たしたいが為に、「一度話したかどうか」程度の人と沢山繋がっていた。名前を見ても、どこであったか、等の「ストーリー」が思い出せない人は削除

「カップは空だから注げる」と、ある哲学教授が仰っていたのを思い出します。

火曜日──集中する権利

お題: プッシュ通知をオフにする

SNS、ニュースアプリ、そのほかのアプリの通知をオフにする日。「情報が無風状態になった」と表現する参加者さんも。

昨日インスタを消したが、早速インスタのリンクを送られて参照しないといけなかったが耐えた。たしかに不便だった

全てのアプリの通知をオフに。今までは常にどこかのアプリにバッチがついている状態だった。いつもやらなきゃいけない仕事を残しているような感じだったと思う。通知をオフにしてバッチのついていないスマホを見るのがスッキリしてとても気持ち良い

仕事柄、ニュースチェックが欠かせないのですがこの日は思い切ってオフに。すると……。

「7-DAY スマートフォン・デトックス」を開催!──体験者の声から考える「デジタル・ウェルビーイング」への道

持ち上げ回数が激減!

水曜日──朝の儀式になっていた?

お題: 朝一にスマホを見たいという衝動に抵抗する

スマホは夜のうちに、仕事部屋に置いておいて寝た。朝は起きて、スマホで天気やメッセンジャーを見たかったものの、一時間は見ずに過ごした。なんとなくスッキリした感じがあったのと、外の風とかの音がいつもより聞こえた気がした

前日にお題をチェックせずに寝てしまい、朝イチでLINEをチェックして見事に失敗。明日リベンジします!

参加者のSさんは翌日にしっかりリベンジをしました(笑)

「7-DAY スマートフォン・デトックス」を開催!──体験者の声から考える「デジタル・ウェルビーイング」への道

まだスマホ使用3分。いいスタートだ

木曜日──寝る前の安らぎを

お題: スマホ充電は寝室の外にし、寝る1時間前はスマホをみない

多くの方が「楽勝」だと語ったのは、この日のタスク。やっぱり普段から「寝室にスマホを置かない」のがルーティンになっているんですね!

もともと当たり前の習慣になっているので余裕

最近、スマホの定位置は「鞄の中」になったので、特に寝る前にいじることは無くなった。お風呂上がりは、お線香を焚きながら、読書をしてリラックスした

LINEの返信は、すぐに送りたいのをグッとこらえ決めた時間に返信することで、その間により相手に分かりやすい内容、楽しいメッセージになるよう工夫できる気が

金曜日──五感をイマココに

お題: スマホを家に置いて、夕飯食べにいく

昨日、待ち合わせがあり、スマホ無しで待ち合わせるかドキドキでしたが、無事会えました!普段行くお店もスマホで目星をつけていましたが、直感で行きたいお店に入ったり、電車で色々な風景を目にしたりと新鮮でした

食事中にスマホをいじらないと、一緒に食事をしている人と会話する時間が増えるので、より内容の濃い話が出来たと思う

そういえば、スマホを持たずに会話したグループとそうでないグループは、前者のほうが会話の質が高まったと回答した人が多いという研究がありました。ちなみにこれは慣れ親しんだパートナーであっても、初対面であっても変わらないというのがこのリサーチの結論。

土曜日──“心の動き”を実感

お題: ソーシャルメディアを見たり投稿したりせずに1日を過ごす

「なんだかみんな詩人になった?」と感じた土曜日。心なしか、行間にも心情の動きが感じられます。

最近私のデジタルデトックス活動に感化されつつある息子は、桜の木の下で集まってスマホを見ているグループを見て、「せっかく桜を見に来ているのに下を向いているなんて、もったいないね」と一言

スマホにある唯一のソーシャルメディア「LINE」を削除した。これで僕のスマホにソーシャルは無い。でも、嫁さんが連絡とれないって文句いうんだろうな。きょうはなるべくくっついて過ごすか

なんでしょう、このコメントにグッときたのは僕だけでしょうか。そのままデジタルデトックスのイベント・キャッチコピーになりそうです。

「スマホがないから、今日はくっついて過ごそうか──夏。」

日曜日──最高の“ON”のために

お題: スマホの電源を切る

各々が決めた時間、スマホの電源を切ることに。ここまでくると、何が必要か、あるいは不要かがはっきりします。

駅の改札でスイカがないことが発覚し、モバイルSuicaのためだけにスマホを取りに帰った。個人的にはデジタル・デトックスVSキャッシュレスへのコダワリの葛藤で後者が勝った

今日は会社に提出する書類の文章を作成しなければいけなかった為、スマホオフにすることで作業に集中することができて良かった。紙のノートを使う方が私的には文章を書きやすい

スマホが無いと、直ぐに検索ができない、など不便さもあるが、「自分の頭で」じっくりと思考することに時間を割くことが出来た為、非常に有意義だった。定期的に身心をリフレッシュするためにも、1~2週に1度は、完全にスマホをオフにして、自然の多い場所で過ごしたい

SNSアプリがないことで苦痛に感じる人はほぼいなかった印象ですが、やはり決済アプリや地図アプリなどは生活基盤になっていたと改めて気付かされます。

番外編──「懺悔の部屋」をのぞくと…

無事に1週間が終了! 最後に参加者たちで集まってシェアリングを行いました。

「これ、定期的にやりましょう!」という声も……。

ほどよい「緩さ」をもち、自分でデジタルデバイスとのバランスをとることを意識するからこそ、気づきの多い一週間になりました。

最後に「懺悔の部屋」をのぞいてみましょう(笑)※あくまでも、自身の目標に対しての到達度をメモするもので、「できなかったからいけない」ということではありません。

LINEのアプリを削除する前に、ついついチラ見してしまいました

スマホデトックスではあるのですが、かわりにPCでいろいろ見てしまいました

LINEの通知がないので、いつも以上にLINEを頻繁に見にいってしまっていました…

確かに僕もスマホへの依存度が減ったぶん、PCでやることは増えたなと思いつつ。それでも、スマホがピカ○ュウのようについてくることが少なくなったので良しとしました。

スマホは「決定」のツールであり、「決断」は自分の仕事

改めて、非常に密度の濃い1週間になりました。私もりした自身、参加をしながら考えることが多々あります。

まず、「思考の熟成のためにも、睡眠前後の数時間はやっぱりスマホを触らない方がいいな」ということ。『思考の整理学』(外山滋比古 著)という名書中の名書があります。そのなかで「朝の思考に勝るものはない」といった旨の言葉がありました。

夜な夜な、恋人に書いた手紙を朝見返して「ギョッ」とする。もはやこの経験に共感できる世代の方も少なくなってきているのかもしれませんが、夜にスマホがあれば、ついつい仕事やプライベートでもメッセージを続けてしまいがちです。

「思いきって、朝やろう」と、改めて感じた次第です。

最後に、スマホは「決定のオプション」を無限に手渡してくれますが、「決断」の手助けをしてくれることはあまりありません。

「決定」とは選択肢をプラス(追加)していくこと。そして、「決断」を文字通り、何かを断つこととして考えましょう。

ある意味で決定は容易です。いまの時代は特に。SNSでは友人をほぼ際限なく追加できますし、アプリも「これ便利かも」と思えば、すぐに追加できます。自分の余暇を満たしてくれるエンタメからニュースまで、基本的にスマホは私たちの決定したことをすぐに叶えてくれます。

反対に、スマホ側から断つことを要求されることはほぼありません。「使っていないみたいだし、このアプリ消しといたよ」とスマホに通知されることはないわけです(笑) 

必然的に、決断という難しいアクションは、当事者である自分たちに委ねられます。ただ、人生を変えるのは往々にして「決定」ではなく「決断」だと思っています。

もちろん、これらふたつ(決定と決断)は背中合わせのもので、決定によって僕たちは選択肢を得て、決断によって具体的なアクションを生み出せるのではないでしょうか。とはいえ、情報に溢れるいま、決定は簡単でも、選択肢を削ぎ落とすことは困難になりました。結果、情報過多な社会で自分の声を失い、毎日を本当の意味で有意的に過ごすことは、チャレンジングになってきているのも事実です。言うなれば、「数ある選択肢」に溺れてしまうような状況があるのだと思います。

「人生というのは、時間です」

どなたかが言っていたのを思い出します。決断なくして自分の時間はできず、時間なくして自分の人生を“ちゃんと生きる”というのは難しいのかもしれません。

仰々しい話になってしまいましたが、世間の常識が崩れ去っていく昨今、いままで以上に「自分がどうありたいか」という内観は欠かせません。そういう意味でも、デジタルデトックスでマイナスする作業(=時間を生み出すこと)をするというのが、いままで以上に重要なんだなと、この1週間で感じました。

結論、やってよかった! そして、一緒に参加してくださったみなさま方には感謝の気持ちでいっぱいです。

チェ・ゲバラの言葉を借り……、「ありったけの革命的な情熱をもって、君を抱擁をする」、そんな気分になりました。

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「一緒にデジタルデトックスをやってみたい」
「デジタルデトックスというのは、どうやら生活にポジティブな効果がありそうじゃないか」

そう感じられた方は、ぜひ私たちの「デジタルデトックスの輪」に加わってみませんか? きっと素敵な変化が実感できると思います。

「便利なんだから好きなだけ使えばいいじゃん!」
「何それ、怪しいんですけど!」

そう思った方も一度のぞいてみてください。もっと、変化が実感できると思います。

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